ファンダメンタル分析
最新の決算動向と業績推移
ZOZO(証券コード:3092)の最新決算(2026年3月期第2四半期、2025年4~9月)では、売上高が約1,052億円(前年同期比+6.5%)と増収でしたが、利益面は伸び悩みました。7–9月期(第2四半期)単独の営業利益は142億円となり前年同期比で2.9%減少し、市場予想を約15億円下回りました。その結果、上期(4–9月)の営業利益は約311億円(前年同期比+2%程度)にとどまり、会社計画に対する進捗率も低調です。純利益も上期は前年並みにとどまっています。増収にも関わらず利益が横ばいだった要因として、買収・連結化した英国ファッション検索サイト「LYST」の低採算事業の影響で粗利率が低下したことが挙げられ、慎重な収益見通しが必要とされています。
業績見通し(会社予想とコンセンサス)
ZOZOは通期業績予想(2026年3月期)として営業利益692億円(前期比+6.9%)を据え置いています。しかし上期の進捗はやや遅れているため、下期での巻き返しが課題です。市場のコンセンサス予想では会社計画をわずかに上回る水準が示されています。具体的には、アナリスト予想平均では今期経常利益が約700億円規模と会社目標(691億円)を上回っており、売上高についても2,300億円超が見込まれ前年から一桁台後半の成長率です。もっとも、7–9月期の減益決算を受けて市場では慎重な見方が増えており、「通期予想達成には下期の巻き返しが必要」との声もあります。実際、異例の残暑で9月のアパレル販売が苦戦したことが利益下振れの一因とされており、気温など外部要因も業績に影響しました。今後、冬季商戦での挽回やコスト管理が計画達成のカギとなるでしょう。
財務状態・収益性
財務面では**自己資本比率が約52.6%**と安定しており、有利子負債を差し引いたネットキャッシュも抱える堅実なバランスシートですfinance.yahoo.co.jp。資本金規模は約13億円と小さい一方、利益剰余金が1,067億円(2025年9月時点)積み上がっており、自己資本は約958億円程度と推定されます。その結果、**ROE(自己資本利益率)は約49%**と極めて高水準ですfinance.yahoo.co.jp。これは同社が資産ライトなビジネスモデルで高い収益率を誇り、かつ配当や自社株買いを通じて資本効率を高めてきたためです。営業利益率やROAも20%以上と小売業としては突出して高く、収益性は非常に良好といえます(ROA実績約28%irbank.net)。財務の健全性(自己資本比率が一般的目安の30%を大きく上回ることfinance.yahoo.co.jp)と高収益体質により、安定した企業基盤を維持しています。
成長性・事業展望(Yahooとのシナジー等)
成長性の面では、国内アパレルEC市場が成熟しつつある中でも、ZOZOは取扱高の着実な拡大を図っています。2025年上期の商品取扱高は過去最高の3,124億円に達しstock.fromation.co.jp、新規事業連携の寄与が鮮明です。特にYahoo!(Zホールディングス)とのシナジー効果は事業展望の重要ポイントです。Yahoo子会社化後、ZOZOTOWNはYahoo!ショッピング内に出店し、また2024年3月からYahoo!オークション(ヤフオク!)上に古着販売の「ZOZOUSED」ストアを開設するなどプラットフォーム連携を強化しています。これによりYahooの膨大なユーザーベースへリーチでき、新規顧客獲得や取扱高拡大につながっています。さらに決済・ポイント面でもPayPayとの連動やYahooプレミアム会員特典との融合など、グループシナジーを活かしたマーケティング施策が可能になっています。実際、LINEとYahooの経営統合後は「LINEヤフーコマース」との協業も進み、外部流入増加に寄与している模様ですstock.fromation.co.jp。こうしたシナジー効果により中長期の成長余地はある一方、国内アパレルEC市場自体の成長鈍化や競合(楽天や新興アプリ等)との争いもあり、以前ほどの高成長は期待しづらいとの見方もあります。総じて、事業基盤は安定かつ高収益ですが、今後の成長率は一桁台半ば程度の緩やかなものとなりそうです。その中でグローバル展開(LYSTへの出資・連結など)や新サービス開発による成長エンジン模索が課題となっています。
テクニカル分析
株価チャートの形状・トレンド
ZOZO株価の直近チャートを見ると、2025年2月初めに年初来高値1,802円を付けた後は中期的に下降トレンドを描いてきましたkabutan.jpfinance.yahoo.co.jp。5月中旬にも1,600円台半ばで戻り高値を付けましたが、その後は高値を切り下げる形で推移し、11月初旬に年初来安値1,140円を記録していますkabutan.jpfinance.yahoo.co.jp。10〜11月にかけての値動きを詳しく見ると、10月末時点では1,350円前後で推移していたものの、決算発表直後の11月4日に株価は急落しました。11月4日には寄り付き1,201円から一時1,140円まで売り込まれ、大陰線を描いたものの、引けにかけては1,270円まで切り返す長い下ヒゲの大陽線となりました。この動きで目先のボトム(短期的な底値)が確認された格好です。以降、11月中旬にかけて緩やかなリバウンド局面となり、直近では25日移動平均線(約1,305円)を株価が上抜いて推移しています。下降していた25日線を上抜けたことでテクニカル的に抵抗線を突破し、トレンド転換の兆しも見られます。今後は次の上値抵抗として、10月後半のもみ合い水準であった1,350~1,400円ゾーンが意識されます。この辺りには75日移動平均線や下降トレンドラインも位置していると考えられるため、リバウンドが続いた場合でも戻り売りが出やすい水準です。逆に下値は、直近底値の1,140円が**強力な支持線(サポートライン)**として意識されます。1,140円は52週安値であり年初来最安値でもあるため、短期的にはここが下値メドとなりそうですkabutan.jp。総じて、長期トレンドはまだ下向き(200日線は上方に位置)ですが、短期的には底打ち反転を試す局面に入っています。
オシレーター指標の状況(RSI、MACD、ボリンジャーバンド)
急落後のテクニカル指標を確認すると、RSI(相対力指数)は一時15%程度まで低下しており、「売られ過ぎ」ゾーンに入っていましたkabusensor.com。これは一般的な目安である30%を大きく下回る水準で、11月初旬の急落時に相場が短期的に大きく行き過ぎたことを示唆しています。その後の反発局面でRSIは直近50%台まで戻しており、中立圏付近で推移しています。過熱感はなく、上にも下にも余地がある中立水準と言えるでしょう。MACDも、急落局面でヒストグラムが大きくマイナスとなり下落トレンドを示していましたが、足元ではシグナル線との乖離が縮小しつつあり、まもなくゴールデンクロス(MACD線がシグナル線を上抜く)する兆しが見られます。MACDのクロスが実現すれば短期的なモメンタム好転のシグナルとなります。一方、ボリンジャーバンドでは11月初旬の暴落時に-2σを大きく割り込む異常値をつけていましたkabusensor.com。その後は株価が急反発したためバンド内に復帰し、現在は±1σのレンジ内で推移しています。バンド幅は一時拡大しましたが直近は収れん傾向にあり、これはボラティリティ低下を示しています。今後、再びバンド上限(+2σ)へ株価が接近すれば短期的な過熱感が意識されますが、現状ではまだ余裕がある状態です。総じて、オシレーター系の指標は一旦の底入れとモメンタム改善を示唆しており、短期リバウンドに対して大きな過熱シグナルは出ていません。
出来高と価格の関係
出来高の推移を見ると、急落時に出来高が急増しており需給の転換点となったことが分かります。11月4日の暴落日は出来高約968万株に達し、平時(直近平均200〜300万株台)の3倍以上の水準となりましたirbank.net。これは投資家の投げ売りが一巡し、同時に押し目買いや買い戻しが大量に入った「セリングクライマックス(投げ売りの極致)」だった可能性があります。その翌営業日の11月5日も600万株超の高水準な出来高で株価が反発しておりirbank.net、大きな買い支えが入ったことが示唆されます。以降のリバウンド局面では出来高は200〜400万株程度の平常レンジに落ち着きましたが、11月下旬に株価が25日線を突破する局面では再び500〜600万株台に増加する日も見られましたirbank.net。これはテクニカルな節目突破で出来高が伴った形で、短期筋の新規買いや信用取組の巻き戻し(買い戻し)が進んだと考えられます。一方で、リバウンド一服局面では戻り売りも出やすく、出来高増加と株価上昇が続くか注視が必要です。総合すると、出来高面では急落→反発時にエネルギー放出が起き、その後の上昇には適度なエントリーが入っている状態です。今後、大きな上昇トレンド入りするには更なる出来高増加(新規の強気資金流入)が望まれるところです。
アナリスト評価
国内外証券会社の最新アナリスト評価は概ね「中立」コンセンサスとなっていますminkabu.jp。2025年11月25日時点の集計では、強気買い(強い推奨)が1名、買い推奨が1名、中立が11名、強気の売り(弱気)が4名という内訳で、強弱観が拮抗していますminkabu.jp。目標株価のアナリスト平均は1,438円程度で、直近株価(約1,320円)水準から見て+9%程度の上昇余地との試算になっていますminkabu.jp。これは市場の大方が「現状水準は概ねフェアバリューだが若干の上値余地あり」と見ていることを意味します。ただし個別のレーティングを見ると、証券各社で意見は分かれています。例えば米系大手証券(モルガン・スタンレーMUFGなど)は11月中旬に投資判断を中立(Hold)据え置きつつ目標株価を1,525円→1,460円に引き下げました。また国内大手証券も「中立」継続で目標株価を1,500円前後に設定するケースがみられ、業績予想の下振れを受けて目標水準をカットする動きが散見されます。一方で、中堅証券の中には強気継続で目標4,000円といった極端に強気なレポートも存在しますがminkabu.jp、こちらは少数派です。むしろ直近では強気派も目標株価の引き下げを余儀なくされており、例えばSMBC日興証券は最強気(評価「1」)を継続しつつも目標株価を3,900円→2,500円に大幅カットしたとの報道もあり、ポジティブな見方にやや陰りが出ていますkabutan.jp。総じて、アナリスト陣はZOZOの収益力や高ROE経営を評価しつつも、成長鈍化や足元業績の不透明感から強気一辺倒にはなっておらず、「様子見(ホールド)」のスタンスが多い状況です。
需給面の観察(出来高・信用動向)
株式需給の指標として信用取引の状況を確認すると、信用取組は売り長(空売り超)になっています。11月中旬時点での信用残高は、信用買い残が約47.5万株に対し信用売り残は約60.8万株と売り残の方が多く、信用倍率(買い残÷売り残)は0.78倍まで低下しましたfinance.yahoo.co.jp。通常、信用倍率が1倍を下回る状態は市場参加者に弱気思惑が優勢であることを示します。実際、7〜9月期決算を受けた直後から信用売り残が前週比+23万株と大幅に積み増される動きが観測されており、ヘッジファンドや短期筋が先行き懸念から売りポジションを積み上げた可能性がありますfinance.yahoo.co.jp。一方、信用買い残はやや減少しておりfinance.yahoo.co.jp、個人投資家などの押し目買いも慎重だった様子がうかがえます。このように需給面では潜在的な買い圧力より売り圧力が勝っている構図ですが、裏を返せば空売りが溜まっている分、何か良い材料やテクニカルな上昇局面で**ショートカバー(買い戻し)**が発生しやすい状態とも言えます。実際、直近の株価反発局面では信用倍率が若干改善する兆しもあり、底打ち感が出れば売り方の買い戻しが株価を押し上げる余地があります。逆に、信用買い残が膨らんでいない点は大きな需給の重しが無いとも解釈できますが、裏を返せば積極的な買い手不在であるとも言えます。日々の出来高は前述の通り急落時に突出した以外はおおむね安定推移しており、流動性には問題ありませんirbank.net。ただし、出来高増を伴う明確な上昇トレンドが出現するまでは、需給的には戻り局面での売り圧力(空売り勢の追随や戻り売り)が上値を抑える可能性も考慮すべきでしょう。
総合判断(短期スイング目線)
以上のファンダメンタル・テクニカル・需給要因を総合すると、現時点でZOZO株の1〜3ヶ月程度の中期見通しは「中立」と判断します。足元では7〜9月期の業績失速を嫌気して年初来安値圏まで売り込まれましたが、テクニカルには一旦の底打ち反転の兆候が出ています。過度な悲観により短期的なリバウンド余地は認められ、実際RSIなども極端な売られ過ぎから回復してきましたkabusensor.com。また信用売りの積み上がりはショートカバーによる上昇圧力の潜在化も意味し、良好な値動きが続けばもう一段の自律反発が期待できますfinance.yahoo.co.jp。その一方で、ファンダメンタル面では業績成長の減速傾向や下期の不透明感もあり、大きな上昇トレンドに転じる決定打には欠けます。アナリスト平均目標1,438円程度が示すように、市場参加者の大勢も急騰よりは現水準近辺でのもみ合いを想定している状況ですminkabu.jp。株価的にも、上では1,400円前後に強めのレジスタンスが控えており、短期リバウンドがあっても戻り売りに押されやすい可能性があります。逆に下値は1,100円台前半で相当強く下げ渋ると見込まれるため、急落リスクも限定的でしょう。総じて、1〜3ヶ月のレンジは概ね1,150〜1,400円程度を想定し、この範囲内での値動きを中心に据えたスイングトレード戦略が現実的と考えられます。従って短期目線では強気・弱気いずれにも大きく傾かず「中立(様子見)」スタンスが妥当でしょう。ただし、今後発表される10〜12月期の業績動向や、親会社であるZホールディングスとの協業深化、新規事業の進展などサプライズ材料によっては株価がレンジをブレイクする可能性もあります。その場合は改めて戦略の見直しが必要ですが、現段階では目先の自律反発には期待しつつも、大局観では中立を維持する判断となります。各種分析から得られるシグナルを踏まえ、慎重かつ柔軟に対応することが求められる局面と言えます。
Sources:
- 財務・業績データ:ZOZO決算短信・説明資料
- テクニカル分析:株価チャート・フィスコ解説kabusensor.com
- アナリスト評価:みんかぶコンセンサスminkabu.jp
- 信用需給:Yahoo!ファイナンス信用残finance.yahoo.co.jp
- その他参考:企業IR情報、市場ニュース等



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