1. ファンダメンタル分析
ROEと利益成長性(同業他社比較)
アドバンテストの収益力は極めて高く、直近年度(2025年3月期)のROEは約31.8%に達しましたirbank.net。これは一般に優良とされる10~20%を大きく上回り、同業大手の東京エレクトロン(約29~33%)やディスコ(約25~27%)と肩を並べ、レーザーテック(約40%)にも迫る水準ですirbank.netirbank.net。さらに今期(2026年3月期)は利益急増によりROEが45%前後に達する見通しで、業界内でも突出していますirbank.net。
過去の成長力も顕著で、アドバンテストのここ10年の売上高・利益はそれぞれ約4.8倍、9.6倍に拡大し、純利益の年平均成長率は25.4%にも及びますirbank.net。これは東京エレクトロンの純利益7.6倍・年平均22.4%成長を上回りirbank.net、長期的にも高い成長性を示しています。
同社は半導体テスト装置で世界トップシェアを持ち、AI・高速演算需要の追い風を受けて近年業績が飛躍しています。一方で急成長に伴い予想PERは50倍超と割高感も強まり、東京エレクトロン(予想PER約29倍)など主要同業より評価水準は高めですkabutan.jpig.com。これは将来の高成長を織り込んだものであり、今後も高い利益成長を継続できるかが焦点となります。
直近決算の内容と市場の反応
2025年10月28日に発表された2025年度第2四半期(7-9月期)決算は、売上高5,267億円(前年同期比+60%)、営業利益2,324億円(前年同期比2.5倍)と大幅増収増益となり、市場予想を凌駕する「100点満点以上の決算内容」でしたmedia.paypay-sec.co.jpmedia.paypay-sec.co.jp。併せて、2026年3月期通期業績予想の上方修正を発表。売上高見通しを8,350億円→9,500億円(前年同期比+21.8%)、営業利益見通しを**3,000億円→3,740億円(+63.9%)**へと大幅に引き上げていますmedia.paypay-sec.co.jp。この水準は市場コンセンサス(売上高8,777億・営業利益3,333億円)を上回り、2期連続で過去最高益更新の見込みとなりましたmedia.paypay-sec.co.jpmedia.paypay-sec.co.jp。
さらに未定だった中間配当を29円(前年19円)に増配しmedia.paypay-sec.co.jp、最大1,800万株(発行株数2.5%)、1,500億円規模の自社株買い実施も発表media.paypay-sec.co.jp。将来を見据えた中期経営計画も上方修正され、**2027年3月期の売上高目標を当初5,600~7,000億円→8,350~9,300億円、営業利益率目標を22~28%→33~36%**へ大幅引き上げていますmedia.paypay-sec.co.jpmedia.paypay-sec.co.jp。これらはAI関連需要の想定以上の伸長(GPUやASIC向け半導体テスター需要が旺盛)によるもので、経営陣は「今後も生産能力をさらに同程度の水準で拡大する必要がある」との強気の見通しを示しましたmedia.paypay-sec.co.jpig.com。
市場の反応: 好決算とサプライズな株主還元策を好感し、発表翌日の株価はストップ高(+22.07%)となり年初来安値(4,703円)から約4.5倍増の22,120円で取引を終え、上場来高値を更新しましたmedia.paypay-sec.co.jpmedia.paypay-sec.co.jp。アナリストからも「満点超えの決算で、将来の成長を考えれば割高ではない」と高評価の声が出るほどの内容でしたmedia.paypay-sec.co.jp。この急騰は他の半導体株にも波及し、レーザーテック+7.7%、キオクシアHD+7.5%、ディスコ+4.7%、東京エレクトロン+3.3%と関連銘柄も軒並み上昇しましたmedia.paypay-sec.co.jp。
しかしその後、11月以降は株価が乱高下しながら調整局面に入っています。10月30日に付けた高値23,675円から約11%下落し、11月中旬には一時18,000円台後半まで反落しましたig.com。背景には「AIブームの持続性への不安」や「予想PER一時62倍超という異例の割高水準」に対する警戒感があり、急騰後に投資家の利益確定売りが出たと考えられますig.comig.com。もっとも、業績見通し自体は引き続き強気であり、株価下落は過熱感の整理と見る向きもあります。発表直後の急騰とその後の調整を経て、現在の株価水準(19,000円台)は好材料を織り込みつつも直近高値から割引かれた水準と言え、次の材料待ちの状況です。
2. テクニカル分析
RSI・MACD・移動平均線の動向
主要なオシレーター系・トレンド系指標から見ると、短期的なモメンタムは改善傾向です。11月中旬の急落局面ではRSI(14日)が一時30%台後半まで低下し売られ過ぎに近いシグナルを出しましたtraders.co.jp。その後の反発でRSIは直近52前後まで戻り現在は中立水準ですjp.investing.com。ストキャスティクスも直近は**%Kが90台後半**となり短期的な過熱感を示しますが、これは急反発による一時的なものと見られます。
MACDも改善しており、直近のMACD(12,26)は**+4.4まで上昇してシグナルラインを上抜け、「買いサイン」が点灯していますjp.investing.com。11月下旬にかけてMACDがゼロライン付近からゴールデンクロス**したことで、モメンタム転換の兆しが出ています。また、ADX(14)は30付近で推移しトレンドの強さを示唆、Williams%Rは-2%近辺と短期的な買われ過ぎを示すなど、上昇局面での過熱感には注意が必要ですjp.investing.com。
移動平均線を見ると、中長期トレンドは依然として上向きです。75日移動平均線は約15,600円程度で推移しており、株価は大幅にその上に位置していますkabutan.jpkabutan.jp。急騰と急落を経ても株価は中長期の支持線を上回っており上昇トレンド自体は生きていると考えられます。一方、25日線など短期移動平均は直近の調整で一時下向きに転じましたが、足元の反発で再びフラット~上向きに変化しつつあります。直近株価は25日線近辺で推移し、短期的な攻防ポイントとなっています。
株価の中短期トレンド分析
チャートの値動きを振り返ると、2025年4月に4,703円の年初来安値を付けて以降、AI需要を背景に力強い上昇基調が続きましたmedia.paypay-sec.co.jpmedia.paypay-sec.co.jp。7月末のQ1好決算を契機に株価は急騰ピッチを速め、10月末にはわずか半年で5倍近い水準(23,675円)に到達しましたkabutan.jpkabutan.jp。その後は前述のように急騰後の調整局面となり、11月21日には一時18,290円(10月28日発表前水準付近)まで下落して、ちょうど直前の大きな窓を埋める形となりましたkabutan.jpkabutan.jp。この18,000円台後半は過去にレジスタンスだった水準であり、テクニカル的な支持ラインとして機能した可能性があります。実際、11月21日の安値18,290円は10月の決算発表直前終値18,120円に接近する水準で、「窓埋め完了」による下げ止まり感が意識されました。
直近(11月下旬)の値動きは18,000円台後半でダブルボトムを付けて反発する形となっています。11月25日・26日には19,000円台中盤まで回復し、短期的に下値を切り上げましたfinance.yahoo.co.jp。ただ、11月上旬以降の高値は23,000円→21,780円→20,835円と切り下がっており、下降トレンドライン(下値抵抗線)が意識される局面ですkabutan.jp。この下降トレンドを明確に上抜けるには、直近戻り高値(例えば20,000~21,000円台)を超える必要があります。出来高面では急落時に膨らんだ売買高が反発局面でやや減少しており、エネルギー蓄積中とも読めます。今後、20,000円の心理的節目や直近高値21,000円付近を上抜けできれば上昇トレンド再開が期待できる一方、再び18,000円割れとなると調整長期化のリスクもあるため注意が必要です。総じて、中短期トレンドは急騰後の調整から底入れ反転を模索する局面に差し掛かっていると言えます。
3. 需給状況
信用取引の需給(信用残・倍率)
個人を中心とした信用取引の残高を見ると、買い残が約538万株、売り残が約282万株(11月中旬時点)となっており、信用倍率は1.9~2.1倍前後ですsbisec.co.jpkabutan.jp。これは需給面でやや買い長であることを示しますが、極端な偏りではありません。直近の調整局面で信用買いが前週比+50万株超と増加しており、押し目と判断した短期資金の流入もうかがえますsbisec.co.jp。買い方優勢の状態では、相場が下振れした際に追証に伴う投げ売りが出やすいリスクがあります。一方で一定の信用売り残も存在するため、上昇局面では**踏み上げ的な買戻し(ショートカバー)**がサポート要因となる余地もあります。信用取引の取組は健全とは言えませんが、需給逼迫による深刻な売り圧力や空売りの踏み上げ期待が極端に高まっている状況でもないと言えます。
株式の流動性・大口需給
アドバンテストの発行済株式数は約7.6億株と多く、時価総額は14兆円規模に上りますirbank.netkabutan.jp。浮動株比率は比較的高めで、特定の支配株主は存在しません。株主構成を見ると、**信託銀行名義(マスタートラスト信託30.98%、日本カストディ13.37%)で約44%**が保有されており、年金基金やETF等機関投資家の資金が広く入っていると考えられますirbank.net。残りも海外機関投資家や国内資産運用会社の名義が並び、実質的に株式は市場に分散して保有されていますirbank.netirbank.net。個人株主の保有比率は約11%程度に過ぎずirbank.net、日経平均採用銘柄でもある同社株は指数連動資金や海外マネーの影響を受けやすいと言えるでしょう。昨今の日本株ブームで海外投資家の買いが入った反面、AI関連株のボラティリティ増大局面ではグローバルな資金の流出入が株価を大きく動かす可能性があります。
自社株買い: 需給面で特筆すべきは、会社自身が発表した自社株買い(上限1,800万株・1,500億円)の存在ですmedia.paypay-sec.co.jp。発行済み株数の2.5%に当たる規模であり、短中期でマーケットからそれだけの株式需要が発生することになります。実施期間や取得状況次第ですが、下値では会社が需給の受け皿となる可能性が高く、一定の下支え要因と考えられます。ただし上値では既に発表効果を織り込んでいるため、自社株買いだけで株価を押し上げる力は限定的でしょう。その他の大口需給としては、海外投資家による5%ルール大量保有報告などが散見されますが(ブラックロック等が名を連ねるirbank.net)、いずれも常識的な資産運用の範囲であり特段の需給インパクトは確認されていません。
4. 業績・株価が連動しやすい関連銘柄
アドバンテストは半導体製造装置セクターの一角であり、日本株の中でも同業種・同テーマの銘柄と株価連動性が高い傾向があります。特に以下のような銘柄は業績面や市場テーマで共通点が多く、アドバンテストと同調した値動きを見せることが少なくありません。
- 東京エレクトロン(8035) – 世界有数の半導体製造装置メーカー。露光・エッチングから成膜まで幅広い装置を手掛け、顧客もアドバンテストと重なる部分があります。業績は半導体投資サイクルに強く影響され、AI・先端半導体需要の恩恵を受ける点で共通し、株価も連動しやすいです。実際、アドバンテスト急騰時には東京エレクも上昇する傾向がありましたmedia.paypay-sec.co.jp。
- レーザーテック(6920) – 半導体マスク検査装置の国内トップ企業。EUV関連需要を背景に高成長・高ROEを誇り、「先端半導体関連株」としてアドバンテストと並び市場で注目されます。株価ボラティリティも高く、テーマ性から同時に物色・利食いされやすいため、両社の株価には相関が見られます(10/29には+7.7%上昇media.paypay-sec.co.jp)。
- ディスコ(6146) – 半導体ウエハの切断(ダイシング)装置や研削装置で世界シェアを持つ企業。半導体後工程向け装置という点でアドバンテスト(テスト工程)に近く、業績も半導体生産動向と連動します。株価も中長期トレンドは類似しやすく、2023~2025年にかけて両社とも大きな上昇を経験しました(アドバンテスト急騰日にディスコも+4.7%media.paypay-sec.co.jp)。
- 東京精密[アドバンテスト子会社あり](7729) – ウエハプローバ(半導体テスト用測定器)を手掛ける東京精密(ACCRETECH)は、テスターと組み合わせて使われる装置を製造しており、アドバンテスト製品と補完関係にあります。また半導体計測装置事業の比重が大きいため、半導体市況による業績・株価の連動性が高いです。実際、比較される銘柄としてディスコと並び**「東京精(東京精密)」**が挙がることもありますkabutan.jp。
この他、半導体製造装置セクター全般(例えばスクリーンHD(7735) や 日立ハイテク(8036) 等)や、メモリメーカー動向に左右される半導体材料・部品株(イビデン等)も広義には関連と言えます。ただしアドバンテストと特に業績面で直接連動性が高いのは、やはり**半導体製造装置(とりわけ検査・計測分野)**の企業です。10月末の好決算時にこれら関連株が揃って株価上昇したようにmedia.paypay-sec.co.jp、テーマとして資金が出入りする局面では同じ方向に動く可能性が高い点に留意が必要です。
結論:短中期(1~3か月)での投資判断
以上の分析を踏まえ、現時点でのアドバンテスト株は「短中期で慎重ながらも有望なエントリー候補」と判断します。Fundamentals面ではROE・成長性とも申し分なく、AI特需を背景にした業績上振れが続いています。直近決算もサプライズ好内容で、今後数か月間は高水準の業績見通しが株価を底支えするでしょうmedia.paypay-sec.co.jpig.com。さらに自社株買いや増配といった株主還元策もあり、下値では企業買いも期待できる状況ですmedia.paypay-sec.co.jp。一方で懸念点は、株価が既に急騰を経て高いバリュエーションに位置していることですig.com。PER50倍超という評価水準は将来の成長を先取りしており、グロース株全般の地合い悪化や業績失速の兆しが出ればさらなる調整リスクも孕みます。また値動きの荒さも際立っており、1日で±5~10%動くボラティリティは短期勝負の妙味であると同時にリスク管理の難しさも意味します。
短~中期(1~3か月)でリターンを狙うのであれば、現在の19,000円前後という調整後の水準でポジションを取る戦略は一定の合理性があります。10月末の急騰高値から約20%近く押しており、テクニカルには前回高値18,000円台後半で下げ止まって反発の兆しを見せていますkabutan.jp。RSIやMACDも改善してきたことから、目先の底は打った可能性が高く、今後1~3か月の間にリバウンド継続~高値トライの展開も期待できますjp.investing.comjp.investing.com。特に1月下旬には第3四半期決算発表も控えており、再度の好決算や上方修正が出れば再び材料出尽くし前に株価が上昇するシナリオも描けます。
投資アクション: リスク許容度を踏まえると、400万円の予算に対し一度にフルポジションではなく、半分程度を現在価格でエントリーし、残りは押し目買い余力として温存する方法が考えられます。例えば18,000円前後までの下落があれば買い増し、25日線を明確に割り込むようなら一部ロスカットといった段階的な売買・リスク管理を組み合わせるのが妥当でしょう。テクニカル節目の18,000円割れにストップロスを置けば下値リスク(約▲10~15%)を管理しつつ、上値は直近高値圏22,000~23,000円台の回復(+15~20%前後)も狙えるため、リスク・リワードは許容範囲と考えられます。需給面でも自社株買いや関連株物色の追い風があるため、大崩れの可能性は小さいと思われます。
結論として、短期的なボラティリティは高いものの、総合評価では「慎重な楽観(弱気材料に注意しつつ押し目は買い」スタンスで臨む価値がある銘柄です。すでに高値圏である点を踏まえ、ポジション管理と素早い対応を心掛ければ、1~3か月のスイングトレードで有意なリターンを期待できる可能性があります。media.paypay-sec.co.jpig.com万一、市場全体のセンチメント悪化などで想定と逆行する場合は損切りも辞さない前提で、明確な戦略をもってエントリーするなら「買い」判断が妥当と言えるでしょう。
以上の分析に基づき、アドバンテスト株は短中期的に積極的なエントリーを検討し得る銘柄ですが、決して油断せずリスク管理を徹底した運用が求められます。さらなるAI関連の好材料や業績続伸が確認できれば、一段高も十分見込めますが、期待先行による割高感も伴っている点を最後に念押ししておきますig.comig.com。投資の最終判断はご自身のリスク許容度と相場観に照らしてご判断ください。
Sources: 最新決算発表資料・IR情報media.paypay-sec.co.jpmedia.paypay-sec.co.jp、株価・テクニカル指標データjp.investing.comjp.investing.com、市場レポート(IG証券等)ig.comig.com、他.



コメント